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2007年1月18日 (木)

真実真正日記 読了

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敬愛する町田康の新作です。凝縮された異界のごとき小説作品群だけじゃなく、ここ最近はライトエッセイやテープ起しモノもあったので、最初はこれも「日記」とあるのでエッセイと思い込んでいました。文庫にでもなればエッセイでも買おうかと思いますが、単行本じゃ高くてパスしてるんです。

 「真実真正日記」は「告白」などに比べると、やるせない町田節が比較的薄く、肩が凝らずに読めます。日記といいつつ完全フィクションなんですが、いっぽう少しだけ本人の自伝的要素も混じっているのでしょう。主人公が結成するバンドが「犬とチャーハンのすきま」という名前なんですが、これ「INU」に通じるものが有るのでは?

 さてしかし、近所の本屋といえば東急百貨店内のテナント有隣堂(神奈川県の大手チェーン)しかなく、ここの品揃えは見事にファミリーユース。従ってミリタリーものはもちろん、純文学も大層少ないんです。あるのはミステリとか育児とかファッション誌ばっかりなんです。そんな中で私のような偏屈が読めるのが06年末では「真実真正日記」しか有りませんでした。リリー・フランキーとか宮部みゆきとか、イマドキの流行ものの小説でいいならたくさん置いてあるんですけどねえ。若い頃は自分が進歩的と勘違いしていましたが、中年を過ぎると、単にマイナー志向だけで、マイナーの中のコンサーバティブだったことに気がつきました。オールドタイマーのマイナー志向だと、そりゃあそもそも大勢に背を向けていたことに加え、どんどん時代から取り残されていく訳ですね。村上龍、村上春樹のW村上も新作が減り、池澤夏樹は欧州へ行っちゃうし、吉村萬壱は売れないからか新作が出ないし。そうそう昨日発表された芥川賞は若い女性でしたね。本屋大賞の仕掛け人の方とお話しする機会が有りましたが、広告屋としてはすごい!やられた!と思うんですけど、小売業者が売りたい本って、所詮はメジャーでライトな消耗品じゃないか、と一方の私は思ってしまうんです。

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コメント

先週発表の芥川賞も23歳とだいぶ若返ったのですが、最近私は若い、私らの子供世代がどんな言語表現を浴びているのかが気になって、いわゆるライトノベルの文庫を何冊か読んでいます。
軽薄な擬音調ばかりかと思ったのですが、その懸念はかなり弱まりました。ただ、PCの普及と言うこともあるんでしょうが、文章の起承転結が弱いということと、変に小難しい漢字を使う一方、いわゆる当用漢字の使い方が拙くなっていることが特徴として目に付くものでした。
私が模型サイトの日記に使うような文体が主流と言ったら、お判りいただけましょうか。
私はこれを否定しません。しかし、表現のメリハリ、たゆたうような調べ、いずれも一朝で出来上がったものではなく、多くの表現者が呻吟しながら紡ぎだしてきたものです。
たぶん、彼らは時代の不幸としてそれに接する機会を持たなかったんでしょう。そしてこれは本当に悲しむべきことなんではないでしょうか。
もちろん、反発、否定する子もいるでしょうが、それはそれで、次の段階へ進むためのよすがとなるものです。

古文、漢籍を受験科目の矮小さに閉じ込めてしまった上の世代の近視眼はやはり責めるべきでしょう。また、「思ったとおり書くこと」という指導が表現力のまだ乏しい者にとっていかに残酷で無責任と映じるかということも考えねばなりません。

なんか町田さんとは関係ない話になってしまいました。ただ、読んでいてつらつらとアタマに浮かんだことを書き連ねました。これはこれでラノベ的ですね。

投稿: ゆずこせう | 2007年1月21日 (日) 00時27分

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