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2007年11月12日 (月)

下流社会 第二章

仕事用の本でありながら、充分エンタメ性もあった本の続刊。最初の本では、サンプル数が200人以下の調査資料も多く、あまりの母集団少なすぎでさすがのこの結果、有為とはいえないんじゃないの???と おもわずツッコミたくなる部分が散見されましたが、こんどはお金も出来たでいか、ネット調査でN数も増え、知名度アップのせいか、大手新聞社のデータも流用して、その対策万全です。
 そもそも、この本、著者がデータ解析の結果だした推論なのはなく、豊富なフィールドウォッチなどの知見(なんせ、定点観測で有名なアクロスの元編集者)を、データで補強した結果な訳です。
 これはワタシのつとめている広告会社においては、クライアントへのプレゼンテーションの常道であり(データ解析しかできないマーケッタは頭いいとは認められない)、その意味では、思わず膝をポンと打つような本だったわけですが、それがベストセラーになるとは思いませんでした。グラフ多すぎだしね。
 いっぽう飛行機ファンの感覚で言うと、三野何某さんの、カタログ・スペック・データのみで戦闘機の性能の優劣を語る本が有りましたが、それの社会版といえば分かりやすいかもしれません。
 こんかいは雑誌とクラスター分けがあって、サピオなんか右翼雑誌ときめつけ、それを読む層と、同時に嫌韓、嫌中が多いのが、25-35歳のロスト・ジェネレーション中心というのは、良く分かります。やっぱり不満の捌け口は仮想敵国向けが一番効果的なんですね。
 あとはしかし、いわゆる勝ちパターンは、男も女も正社員で働き双方の収入を得るパターンという結果は、当たり前のことですね。一冊目を読めばやはり二冊目は無理して読まなくてもいいかもしれません。私自身は通勤の友にはなりましたが。
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2007年11月 5日 (月)

働きマン

安野モヨコ原作のコミック「働きマン」がTVドラマ化されました。

これが面白い。

私はコミックに関しては、昔から好きな星野之宣、諸星大二郎および中一の愚息が読んでいる「ワンピース」「NARUTO」以外は、毎週読んでいる唯一の漫画雑誌「週間モーニング」連載のコミックしか、時代と連携できていません。女性漫画家などほとんど今の人を知らないのですが、安野モヨコの「働きマン」は、その数少ない例外。

 連載開始から、この原作コミックも実に楽しく読んでいます。どこが面白いかというと、私ら男性には理解できない女性の心理が実に濃密に描かれているからです。テイストは全く違いますが、田口ランディの小説も女性心理の勉強には役立ちます。

 さて、安野モヨコの原作で最も感心したのは、主人公が半径5メートルの世界観で生きていることが分かったことです。心理描写には長けた作者なので、じつに濃い心の移り変わりが描かれて共感できる部分も多かったのですが、しかし、舞台が男性週刊誌の編集部だということが相当後になるまで分かりませんでした。実感できないんですよ、風景が立ち上ってこない。もっといえば、上司のデスク、編集長、同僚、後輩、彼ら彼女らの心理がさっぱり分からない。もちろん彼らが主人公の半径5メートル以内に入ったときだけは、主人公側から見た心理は分かります。しかし彼らのポジショニング、あるいは主人公の編集部におけるポジショニング、つまり主人公がいったい何歳くらいで、編集部の中で順位はどこらへんの位置なのかはさっぱり分からない。

 これがTVドラマになると、プロデューサーが男性か女性化は分かりませんが、ドラマの作法に従い、あるいあh名の知れた俳優さんが演じるためか、俯瞰的鳥瞰的視野が出てくるので、実に登場人物のポジショニング、つまり立ち位置がはっきり分かってきました。ドラマは逆にステレオタイプな模式図に堕してしまっている部分も散見されるのですが、それでも実に分かりやすい。まあ普通の男性サラリーマンの思考方法と同じですね。その座標上では、くさいとは分かっていても、中間管理職の私は部下の育成、上司との関係など、共感することもいっぱいあって、たかがドラマ相手につい涙腺hが弛むことすら有ります。

 振り返ってコミック原作では、女性の心ってこんなに一つのテーマに対して深くコミットし、かつ半径5メートルの外はもはやポイント・オブ・ノーリターン状態(中世の世界観で、大洋をどんどん航海するとその先は大滝になっているという奴)だたtり、完全に霧の中にはいってしまうもんなんだなあ、ということが初めて分かりました。

 えてして原作の映像化は原作を知っている人間にとってはたいてい失敗作に映るものですが、こと「働きマン」に限っては二度楽しめると思うのです。菅野美穂もいいですしね。

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残り物には赤福がある

いささか旧聞に即しますが、お伊勢参りの定番赤福の偽装表示が明らかになり、期限未定で販売停止になりました。今年の夏の「白い恋人たち」、少し前のミートホープ、ずっと前の雪印ブランド偽装と、食品に関するコンプライアンス違反が続出です。今の世の中、いかにワンマンオーナーカンパニーといえど、厳しくなったコンプライアンスにも対応、これを遵守しなければ企業は存続できません。

 がしかし、少しだけ食品の件に触れますと、赤福の製造年月日偽装で食中毒を起こした消費者は寡聞にして知りません。あえて穿った見方をすれば、日本人の清潔さ度合いと食品表示基準の厳しさが高じて、充分食べられるものも表示基準上は認められなくなった結果、昔ならば全然問題なかったことを、無理やり法律や基準に合わせざるを得なくなっただけのことなのじゃないでしょうか。一方には赤福など、冷凍・解凍技術の向上ということも背景にあります。ミートホープや中国の食品は問題外の外ですが、お菓子などに限って言えば、いささか日本人の清潔好きも度を越してきた、とは言えないでしょうか。

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